上海で両替する – 空港の銀行・両替所・キャッシングの為替レートと手数料

中国の上海に国際空港は2つあります。

日本からの飛行機は、どちらにも発着します。

虹橋国際空港の両替所は1か所だけですが、浦東国際空港には多くの銀行、両替屋があります。おすすめの両替方法をご紹介します。

空港内の為替レート比較

浦東空港、虹橋空港のある日の両替レートを一覧で比較します。
為替レートは随時変動しますが、相対的な意味では、レートがよい店はいつでも他の店より良いし、悪い店はいつでも他の店より悪いです。
したがって、この表を参考に両替所を探していただくと、お得に両替できると思います。

浦東空港

1万円を人民元に両替した場合の金額を表にしました
たとえば、レートが578の場合、1万円が578人民元になります。そこから定額の両替手数料(50元程度)を差し引かれた残額が、手取り額になります。

第一ターミナル
レート 手数料 手取額
3F 中国銀行 578 50元 528元
1F 浦発銀行 557 50元 507元
1F 両替屋 555 50元 505元

 

第二ターミナル
レート 手数料 手取額
2F 両替屋 559 60元 499元
3F 浦発銀行 557 50元 507元

 

虹橋空港

レート 手数料 手取額
1F 両替屋  545  60元  485元

 

以下、それぞれの両替所の場所や営業時間などについて説明をしていきます。

空港内の両替所の紹介

空港にある各両替所の営業時間、場所などを紹介します。

浦東空港の両替所

浦東空港には、2つの国際線ターミナルがあります。

浦東空港第一ターミナル

浦東空港の第一ターミナルには、JAL、デルタ、中国東方航空、上海航空、大韓航空などの飛行機が発着します。
第一ターミナルの両替所のレートは以下の通りです。

★1万円を両替(単位は人民元)
レート 手数料 手取金額
3F 中国銀行  578  50  528
1F 浦発銀行  557  50  507
1F 両替屋  555  50  505

 

ご覧のとおり、中国銀行のレートが一番良いです。カウンター内の行員に尋ねてみたところ、中国銀行の外貨両替レート(现钞买入价)は、市街地にある普通の支店と同じレートを使っているそうです。市街地の銀行と同じレートで両替できる場所は、空港内ではここだけです。

Topix:空港内の銀行と市街地の銀行の比較

中国の空港内の両替所は、どこにせよ、市街地の銀行よりも不利な条件でしか両替できません。

ほとんどの銀行(中国銀行を除く)は、空港内支店だけの特別な両替レートを設定しています。

また、空港内のすべての銀行・両替所は、1回両替するごとに定額(50元程度)の両替手数料をとります。

極端な話し、1000円を両替して60人民元になったとしても、そこから手数料50元を引かれたら10元(≒約100円)しか手元に残りません

1000円×0.6(レート)=60人民元
60人民元-50人民元(手数料)=10人民元

空港から市街地までの交通費にするつもりで1000円だけ両替すると、手元に来るのは10元で、地下鉄にも乗れないという事態になります。

 

中国銀行以外の銀行や両替所は、空港内だけの特殊なレートを設定しています。たとえば、第一ターミナル1階到着ロビーの浦東発展銀行は、市街地の同行支店より数パーセント悪いレートになっています。その隣の両替屋は、浦東発展銀行の下請企業なので、浦東発展銀行よりさらに悪いレートです(下の写真)。

したがって、入国手続きをして1階の到着ロビーに出たら、エスカレーターで3階(出発階)にあがって中国銀行で両替することをおすすめします。

第一ターミナルの各両替所の場所と営業時間は、次のとおりです。

  • 中国銀行 3F(出発階)Gカウンター付近
    営業時間:9:00-19:30
  • 浦東発展銀行 1F(10番出口右横)
    営業時間:9:00-17:45
  • 両替屋(Geo Swift) 1F(10番出口左横)
    営業時間:7:00-23:00

入国手続き(入国審査)を終えて到着ロビーに出るまでの制限エリア(荷物受け取り所など)にも両替所はありますが、レートが悪いので、ロビーの中国銀行まで行って両替するほうがよいと思います。

浦東空港第二ターミナル

浦東空港の第二ターミナルには、ANA、中国国際航空、中国南方航空、春秋航空、ルフトハンザ、キャセイパシフィックなどの飛行機が発着します。
第二ターミナルの両替所は以下のとおりです。

★1万円を両替(単位は人民元)
レート 手数料 手取金額
2F 両替屋 559 60 499
3F 浦発銀行 557 50 507

 

各窓口の場所と営業時間は次のとおりです。

  • 浦東発展銀行 3F(出発階)Dカウンター付近
    営業時間:6:30-23:00
  • 両替屋(Geo Swift) 2F(到着階)到着通路の途中
    営業時間:7:00-23:00

第二ターミナルは、両替に関しては恵まれていません。第一ターミナルの中国銀行の方がはるかにレートが良いです。第二ターミナルから第一ターミナルまで徒歩で移動する場合の所要時間は10分弱なので、時間に余裕があれば、第一ターミナルの中国銀行まで遠出する手もあります。

また、両替金額が少額(3万円程度まで)なら、この第二ターミナルの両替所より、日本の空港の銀行で両替するほうが人民元の手取額は多くなります。この点については後述します。

浦東空港ターミナル間連絡通路

浦東空港の第一ターミナルと第二ターミナルは立派な連絡通路(連絡橋)でつながっています。両ターミナルのちょうど中間地点に、地下鉄とリニアモーターカーの乗り場があります。

その乗り場(チケット売り場と改札口)のすぐ横に、両替屋(トラベレックス)があります。

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ここは、浦東空港でもっともレートが悪い両替所なので、おすすめしません。早朝6時から営業していることだけが長所です。

★1万円を両替(単位は人民元)
レート 手数料 手取金額
トラベレックス  541 60 481

 

  • 営業時間(Travelex) 6:00-23:00

この両替屋(トラベレックス)は、日本円で2万円以上を両替する場合は、手数料が半額の30元になります。しかし、もともとのレートが飛び抜けて悪いので、半額になってもワーストワンの両替所である点にかわりはありません。

結論:浦東空港で両替するならここ

浦東空港には複数の銀行窓口や両替屋がありますが、日本円から人民元への両替レートが一番よいのは、第一ターミナル出発階(3階)の「中国銀行」です。

浦東空港の中国銀行は、下のフロアマップの星印の場所にあります。JALのチェックインカウンターのすぐ近くです。

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営業時間:9:00-19:30(年中無休)

 

虹橋空港で両替する

虹橋空港は上海に昔からある空港で、都心から路線バスで行ける近距離にあります。東京でいえば羽田空港にあたります。

虹橋空港の国際線はすべて第一ターミナルに発着します。空港内の両替所は、到着ロビーの隅っこに1か所だけあります。

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Geo Swift 営業時間:8:30-20:30

この日のレートは5.45(1万円を両替すると545人民元)でした。さらに手数料が1回あたり60人民元かかるので、手取りは485人民元。かなり悪いレートです。

★1万円を両替(単位は人民元)
レート 手数料 手取金額
1F 両替屋  545  60  485

 

レートの点では、2階(出発階)に1台だけ設置されている交通銀行のATMで人民元をキャッシングしたほうがよいです。

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クレジットカードでのキャッシングの利点、為替レートについては、のちに詳しく説明します。

 

上海の市街地の銀行の営業日・営業時間

上海の市街地にある一般の銀行なら、レートもよいし、空港の銀行と違って定額の両替手数料もかかりません。

しかし、街の銀行の多くは、空港内の支店と違って年中無休ではないし、営業時間も短いです。

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中国の大手銀行は、同じ銀行でも支店によって営業日や営業時間が違います。ふつうは、平日なら朝9時から夕方5時まで営業しています。週末や祝日は休みになる支店が多いです。土日に両替できる銀行店舗は一部のみで、それも午後4時には閉まってしまいます

週末旅行中に上海の市街地で両替する必要が生じたときのために、週末や祝日でも営業している中国銀行の営業時間、営業日を別稿にまとめました。

日曜日、祝日も営業している上海の銀行

必要に応じて、こちらも参照してください。

クレジットカードでのキャッシング

実は、中国の空港で一番有利なレートで人民元を入手できるのはVISAやJCBなどのクレジットカードを使ったキャッシングです。空港内のどの窓口よりも有利なレートで、人民元を手にできます。しかも、24時間営業なので、深夜や早朝でも使えます。

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中国銀行と交通銀行のATMは日本語で操作できます。中国語や英語が苦手な方でも大丈夫です。

  • 中国銀行のATMは第一ターミナルの出発階(3F Gカウンター付近)に2台あります。中国銀行の窓口の隣です。マップは、前掲の中国銀行の説明を参照してください。
  • 交通銀行のATMは第二ターミナルの出発階(3F)の2箇所に数台ずつあります(Mカウンター付近トイレ脇、Gカウンター前)。マップは以下のとおりです。

使い方は簡単です。最初の画面で日本語を選択すれば、あとは日本の銀行のATMでお金をおろすのと大してかわりません。

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Topix:カードの取り忘れに御注意
ただし、要注意なのは、最後にカードを取り忘れないこと
日本のATMはまずカードが出てきて、最後にお金がでてきますが、中国のATMは最初にお金がでてきます。その後にカード取り出しボタンを押してカードを取り出します。
自動では出てきません。お金だけ受け取ってカードをATMに置き忘れるという失態を、わたしは過去2回やっています。最後に必ずカード取り出しボタンを押してください

ためしに第一ターミナルの中国銀行のATMで人民元をキャッシングしてみました。以下、その結果を窓口での現金両替と比較します。

キャッシングにかかる費用

キャッシングにかかる費用(手数料等)は、2種類あります。

  1. 現地の銀行に支払うATM使用料
  2. クレジット会社に支払う金利

わたしの場合、以下の数字でした。

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他と比較するために、為替レートと手数料の表記を人民元ベースに換算したものが下の数字です。

  • 為替レート:595.80
  • 中国銀行ATM使用料:6.8人民元
  • キャッシング金利:年利18.00%

キャッシングの金利は、JCBだと年利18%です。翌月一括返済なら約1ヵ月分の金利(1.5%程度)を支払います。この金利を考慮すると、1万円相当額を人民元でキャッシングしたときの実質手取額は580元程度です。銀行窓口での両替より50元以上お得という結果になりました。

★1万円を両替すると(単位は人民元)
レート 手数料 金利 実質手取
中国銀行  578  50  0  528
カード 595.8 6.8 18%/年 約580

 

Topix:クレジットカードの為替レートがよい理由
現金を両替するより、クレジットカードでキャッシングしたほうがレートはよくなります。
クレジットカードでの外貨キャッシングに適用されるレートは、各クレジットカード会社が設定している換算レートです。そのレートは銀行間決済レートに準じて決定されます。
銀行間決済レートは、銀行の窓口で一般顧客向けに提示される外貨両替レートよりスプレッド(外貨の売値と買値の値幅)が小さくなっています。
このため、銀行窓口で現金を両替するよりも、ATMでキャッシングするほうが、レートはよくなります。

海外で(ことに中国で)クレジットカード使うのは危険じゃないか、と不安を感じる方もいらっしゃると思います。しかし、大手銀行のATMなら、トラブルの心配はまずありません。わたしはこれまで何十回も中国のATMで人民元をキャッシングしていますが、一度も問題は起こっていません。

銀行のATMは24時間稼働していますし、待ち時間はほぼありません。そして最もレートがよいのですから、一押しする次第です。

中国のATMで使えるクレジットカード

中国の街でよく見かける大手銀行のATMに表示してあった使用可能なクレジット会社は以下のとおりです。

中国銀行(日本語可) VISA、JCB、ダイナーズ、アメリカンエクスプレス
中国工商銀行 VISA、JCB、マスターカード、アメリカンエクスプレス、ダイナーズ
交通銀行(日本語可) VISA、JCB、マスターカード
上海銀行 VISA、JCB、マスターカード、アメリカンエクスプレス、シティバンク

 

最大手のVISAや日系のJCBカードは主要銀行ならどこでも使えます。

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クレジットカードが使える銀行のATMは、市街地で簡単に見つかります。一番わかりやすいのは地下鉄の駅の構内です。ほとんどの駅で、改札口の横あたりに設置されています。そのほか、ショッピングセンター、ホテル、そして路上など、上海の街のいたるところで目にします。

ただし、日本語で操作できるのは中国銀行と交通銀行のATMだけなので、見つけたらチャンスと思って両替しておくことを、おすすめします。

 

日本の空港で人民元に両替

日本を出発する前に、空港内の銀行や両替所で人民元に両替しておくこともできます。その場合のレートを、成田空港の第1ターミナルで調査しました。

成田空港各所のレート比較

上記の上海浦東空港での調査とは1日ずれていますが、金融マーケットが閉じている週末だったので、レート変動はありません。比較資料として使えると思います。

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地下1階の両替屋(トラベレックス)が突出して悪いほかは、ほぼ横並びのレートです。

★1万円を両替(単位は人民元)
所在地 レート
出発階 両替屋 548
 地下 両替屋 530
出発階 三井住友銀行 546
出発階 三菱東京UFJ銀行 548
出発階 千葉興業銀行 545
出発階 千葉銀行 545

 

日本の空港の両替所は、最初から両替手数料を含んだレートが設定してあるので、この金額がそのまま手取額になります。各銀行の外貨両替レートは、店頭にリアルタイムで表示されています。

以下、この数字を、中国現地での両替の場合と比較してみます。

成田空港と浦東空港の比較

浦東空港(中国)と成田空港(日本)、どちらの空港の銀行で両替するのがお得か、考えてみます。それぞれの空港でもっともレートのよい中国銀行と三菱東京銀行で比較します。

1万円を人民元に両替する場合は、定額手数料(50元)のかからない日本の銀行で両替するほうが手取金額は多くなります(下表参照)。

(1万円を両替・単位は人民元)
銀行 人民元 手数料 手取額
東京三菱(成田) 548 0 548
中国銀行(浦東) 578 50 528

 

両替する金額が2万円になると、ほぼトントンになってきます。このあたりが分岐点になります(下表参照)。

(2万円を両替・単位は人民元)
銀行 人民元 手数料 手取額
東京三菱(成田) 1096 0 1096
中国銀行(浦東) 1156 50 1106

 

もっと多額、たとえば3万円を両替するなら、成田空港の三菱東京UFJ銀行より浦東空港の中国銀行のほうが有利になります(下表参照)。

(3万円を両替・単位は人民元)
銀行 人民元 手数料 手取額
東京三菱(成田) 1644 0 1644
中国銀行(浦東) 1734 50 1684

 

おおむね2万円程度をめどに優劣が入れ替わるので、両替額に応じて使い分ければよいと思います。rate-graph1

もっとも、3万円を両替する場合でも手取額の差は40人民元(約650円)なので、旅行費用全体から見ればそれほど気にする必要はない金額かもしれません。そう割り切って、日本語が通じる日本の銀行で両替していくのも一案だと思います。

なお、空港の浦東発展銀行で両替すると、3万円を両替する場合でも、手取りは1,621人民元と、成田空港の東京三菱銀行よりも不利になります。浦東発展銀行のレートで計算すると、人民元の手取額が東京三菱銀行を超えるのは、両替する日本円の金額が5万数千円になったときです。

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比較的多額の4万円や5万円を人民元に両替する場合でも、成田空港で両替したほうが、お得ということです。中国銀行を除く空港内の銀行や両替所は、すべてこのイメージです。

(5万円を両替・単位は人民元)
銀行 人民元 手数料 手取額
東京三菱(成田) 2740 0 2740
浦東発展銀行(浦東) 2785 50 2735

 

中国銀行の空港支店は夜7時30分に閉店します。これに間に合わないなら、金額によっては、日本で両替してから飛行機に乗るほうがよいかも知れません。

また、虹橋空港は、これよりさらにレートが悪い両替屋しかありませんから、なおさら日本の銀行をおすすめします(または現地のATMでキャッシングですね)。

 

成田空港、羽田空港の銀行の営業時間

成田空港には多数の銀行が両替窓口を開いています。出発ロビー、到着ロビー、出国手続き後のエリア、いずれにも銀行、両替所があります。

銀行どうしで営業時間を調整して、早番と遅番を1日おきに交代し、早朝から深夜まで必ずどこかの銀行が営業しています。下記のすべての銀行が人民元を取り扱っています。日本円から人民元への両替、人民元から日本円への両替、いずれも可能です。

  • 第一ターミナル(みずほ、三井住友、三菱東京UFJ、りそな、京葉銀行、千葉興銀、千葉銀行)
  • 第二ターミナル(みずほ、三菱東京UFJ、りそな、京葉銀行、ちば興銀、千葉銀行)

営業時間の一覧は、成田空港の公式ホームページにあります。

成田空港 銀行/両替所

羽田空港の国際線ターミナルは24時間営業です。銀行の両替所も、24時間営業しています。銀行だけでなく、コンビニ(ローソン)やレストラン、シャワールームも24時間営業です。成田空港もこのくらいやってもらいたいところです。