タイのバンコクの両替事情をレポートします。バンコクは東南アジアの中心都市のひとつなので、買い物や商談で訪れる外国人が多く、街の至るところに両替屋があります。どのくらい多いかというと、東京の都心のコンビニの2倍くらいの密度で両替屋があります。バンコク都心に関して言えば、両替で困ることはありません。
バンコク両替事情
スカイトレイン(BTS)の駅やショッピングセンター、繁華街の通り沿いにある両替屋の営業時間は、おおむね朝9時から夜8時くらいまでです。日本円からタイバーツへの両替は、どの店でも取り扱っています。両替をする際は、パスポートの提示が必要です。日本円にパスポートを添えて窓口に差し出すと、すぐにタイバーツに交換してくれます。
バンコク市内の両替事情
バンコクの両替商は、こんな感じの店舗で営業しています。
上2つのコマはBTS(スカイトレイン)駅構内の両替所、左下のコマはショッピングセンター内にあった銀行系の両替所です。
右下のコマは店頭に掲示されているレート表です。どこの店もこういうレート表を明示しています。2列に並んだ左側の数字(上の表だと紫色の数字)が、外貨をタイバーツに両替する場合の為替レートで、数字が大きいほど有利なレートです。(その右側の数字はタイバーツを日本円などの外貨に両替する場合のレートです。こちらは逆に、数字が小さいほど有利なレートです。)
レートは、どの店もたいして変わりません。一例として某日の日本円・タイバーツのレートを比較します。サイアムのMBKセンター付近の複数の両替屋のレートです。
銀行系 両替所 |
バンコク銀行 | 29.51 |
タナチャート銀行 | 29.40 | |
サイアム商業銀行 | 29.61 | |
タイミリタリー銀行 | 29.58 | |
両替商 | スーパーリッチ | 29.80 |
J.C.jewelry 幸福珠寶行
|
29.65 |
参考:ドンムアン空港内両替所 28.58
おすすめの両替屋は「スーパーリッチ」
レートが一番良いのは大手両替業者の「スーパーリッチ」でした。スーパーリッチはバンコク都心の各所に支店があり、レートがよいことで有名です。
写真はBTSナナ駅構内にある店舗です。このオレンジ色のカラーリングの両替屋を見かけたら、必要な金額を両替しておくことをおすすめします。スーパーリッチの現在のレートは下記の公式サイトで調べられます(ただし店舗により若干差があるようです)。
Super Rich レート一覧
スーパーリッチの店舗一覧(場所・営業時間)を表にしました。さらに具体的な所在地や地図はこちらのページにあります。
本・支店(所在地) | 営業時間 |
本店 |
月-金 9.00-20.00
日祝 9.00-19.00 |
スワンナプーム空港 (ARL駅構内)
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9.00-22.00 |
MRTパヤータイ駅 (ARL乗換駅)
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10.00-20.00 |
MRTペッチャブリー駅 (ARL乗換駅)
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10.00-20.00 |
BTS アソーク駅 (MRTスクンビット駅連結)
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10.00-20.00 |
BTS オンヌット駅 | 10.00-20.00 |
BTS ナナ駅 | 10.00-20.00 |
BTS チットロム駅 | 10.00-20.00 |
MBKセンター内 (ナショナルスタジアム駅)
|
10.00-20.00 |
セントラル・エンバシー (プルンチット駅)
|
11.00-20.00 |
シーロム |
月-金 9.00-18.00
日祝 9.00-17.00 |
タニヤパーク内 | 10.00-19.00 |
Thai Airways |
月-金 9.00-17.00
日祝 10.00-17.00 |
Central Ladprao | 10.30-20.00 |
Khonkaen |
月-金 9.30-18.00
日 9.30-17.00 |
立地的に使いやすい店舗は、BTSの駅構内の数店と、地下鉄ペッチャブリー駅入口付近の店舗です。ペッチャブリー駅の店舗は、エアポートリンクのマッカサン駅から地下鉄への連絡通路の途中にあります。
ただし、最近はその他の両替商もよいレートを提示していることがあるので、スーパーリッチにこだわる必要はありません。例としてレートが良好な両替商2社の公式サイトを乗せておくのでレートを確認してみてください。
VASU Exchange(ナナ駅付近) レート一覧表
SIAM Exchange(ナショナルスタジアム駅付近) レート一覧表
いずれにせよ、上の比較表を見ていただけばわかるとおり、極端に大きな差があるわけではありません。旅行者が数日滞在する分のタイバーツを入手する程度なら、わざわざ交通費を使って両替屋まで行ったら却って足が出ます。ホテル付近の駅などで自然に目についた両替屋のレートを比較して選べば充分だと個人的には思います。
夜遅くまで営業している両替屋
両替屋が開いている時間帯は朝9時頃から夜8時までくらいですが、深夜まで賑わう繁華街の両替屋は、例外的に遅くまで開いています。たとえば、スクンビットのソイカウボーイ(バー街)の突き当りにあるサイアム商業銀行の両替所は、午後1時から夜10時という変則的な営業時間になっています。もしも夜遅くにバーツが足りなくなったら、ここに駆けつけましょう。ジャスミンシティホテルの並びです。
クレジットカードでバーツをキャッシング
バンコクの地下鉄やBSTの駅には、必ず数台の銀行ATMが並んでいます。
こういうATMで、日本で作ったVISAやJCBのクレジットカードを使って現地通貨をキャッシングできます。24時間出金可能なので、深夜の急な出費にも安心です。レートは良好で、街の両替屋と変りません。
しかし、ひとつ重大な欠点があります。クレジットカードでタイバーツをキャッシングすると、結構な額の手数料がかかるのです。一回のキャッシングにつき数百バーツ程度。日本円にして700円くらいの手数料を引かれます。
バーツを引き出すたびにこの手数料がかかりますが、裏技がひとつあります。「JCB」のクレジットカードを使って「バンコク銀行のATM」でキャッシングする場合は、この手数料が無料になります。JCBとバンコク銀行が提携関係にあるため、特に優遇措置を講じているとのことです。
バンコク銀行のATMは地下鉄やスカイトレイン(BTS)の駅などにたいてい置いてあります。写真はナナ駅にあったバンコク銀行のATMです。
現地で多額の現金を持ち歩きたくないなら、出発前にJCBのクレジットカードを作っておき、滞在中数回に分けてキャッシングすれば安心です。24時間いつでもバーツの現金を入手できます。
JCBには年会費無料のカードが数種類ありますが、わたしが海外旅行に持っていくのは、年会費無料で海外旅行保険が付いているEITカードです。発行条件などの詳細は公式サイトを参照してください。
余談になりますが、このJCB-EITカードで旅行の交通費を一部でも支払うと、最高2000万円の海外旅行保険が無料で付保されます。わたしはいつも、成田空港までのスカイライナーの料金をこのカードで決済して無料の海外旅行保険をつけてもらっています。ほかにも海外旅行保険に入っていますが、保障額が上乗せされますから、持っていればより安心です。
バンコクの空港の両替事情
バンコクには2つの空港があります。スワンナプーム空港とドンムアン空港です。どちらの空港にも、たくさんの両替所・両替屋があります。入国手続前のエリアにもありますし、入国したあとの到着ロビーにもあります。民間の両替商のほか、銀行の支所でも外貨両替業務を取り扱っています。
写真はドンムアン空港の深夜0時頃の両替所の様子です。空港は24時間営業なので、両替所も終夜営業しています。
ドンムアン空港
ドンムアン空港(LCC用空港)の場合、空港内の両替所のレートは統一されているので、どの店で両替しても同じです。市街地より若干悪い程度です。24時間両替可能です。
スワンナプーム空港
スワンナプーム空港(ANAやJALが就航している新しい空港)の場合は、Super RichやValueplusなら、市街地と変らないレートで両替できます。店舗の場所は、到着ロビーからエスカレーターを降りて、市街地への鉄道(エアポートリンク)の駅構内です。この2店は24時間営業ではなく、Super Richの営業時間は09:00-22:00、Valueplusは06:00-23:30です。
空港自体は24時間営業なので、レートが多少悪い点に目をつぶれば深夜・早朝でもどこかの両替所が必ず開いています。深夜に到着するのは中国からの団体旅行が多いので、両替所付近は深夜でも騒然としています。間違えて中国に来ちゃったかと思うくらいの中国人密度です。
とりあえず空港で両替するなら
日本からバンコクの空港に着いたら、とりあえず少額(2000円(≒600バーツ)程度)を両替して、市街地までの交通費プラス昼食代とカフェの支払いくらいを確保すればよいと思います。あとは市街地の両替屋でまとめて両替すれば宜しいかと思います。
さきほど書いたとおり、バンコクの市街地では日中なら両替する場所が見つからなくて困ることはまずありません。
しかし、これを逆に言えば、夜になるとATMでのキャッシング以外でバーツを入手するのは困難ということになります。空港から市街地までの所要時間は1時間以下ですが、バンコクに不慣れな方はいろいろと手間取るでしょうから、念のために、バンコクの空港への到着が夕方4時以降なら、少なくとも翌朝までに必要な金額のタイバーツを空港内で両替しておいた方がよいと思います。